東京高等裁判所 昭和54年(ム)39号 決定 1980年6月16日
抗告人 川村信一
主文
本件抗告を棄却する。
理由
一 抗告人は、水戸家庭裁判所家事審判官○○○○が同裁判所昭和五三年(家)第一〇九〇号戸籍訂正許可申立事件について昭和五四年一〇月二三日になした申立却下の審判に対し、別紙のとおりの記載のある「再審訴状」なる書面を当裁判所に提出して、不服の申立をしており、当裁判所の受付段階においても、再審抗告事件として立件されている。しかしながら、右審判の抗告人に告知された日が昭和五四年一〇月二六日であること、及び右「再審訴状」なる書面の当裁判所に提出された日が同年一一月一日であることは、一件記録上明らかであり、従つて、右書面の提出による不服の申立は、右審判に対する家事審判法第一四条所定の二週間の抗告期間内になされたものであることが明らかであるから、右不服の申立は、右書面の表現にかかわらず、未確定の審判に対する不服の申立であり、右法条所定の即時抗告の申立であると解するのが相当である。
二 そこで、本件抗告の当否について検討するに、一件記録を精査しても、右審判は相当というべきであり、何らの違法事由も認められない。よつて、本件抗告を失当として棄却することとし、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 沖野威 裁判官 奥村長生 佐藤邦夫)
〔参考〕再審訴状
訴人
本籍 茨城県鹿島郡○○村大字○○××××番地
住所 東京都大田区○○×丁目××番×号
川村信一
明治三十八年八月十五日生当七十四歳
東京高等裁判所民事部裁判官殿
一、再審訴の理由(民事訴訟法第四百二十四条による再審訴状)
(以下略)